色のエネルギーとアート:ハール・ブリュットの世界

アイハラハルキ (HAL) 個展「青春ハール・ブリュット!」
2025年11月20日(水)〜11月25日(火) 12:00〜19:00(最終日は16:00まで)
ギャラリー国立1F
国立市中1-9-18 NTC高橋ビル

Statement

色彩に導かれて絵を描きはじめてから、私はずっと“色のエネルギー”と対話するように制作を続けてきました。色に秘められた不思議な力に惹かれ、そこから生まれる美的衝動を形にしながら、公募展や展覧会で作品を発表してきました。

2024年9月、中央線芸術祭で旧国立駅舎にて大規模個展「ハール・ブリュット鉄道」を開催したことをきっかけに、私は国立という街に深く魅了され、この地を自分の表現拠点の一つにすると決めました。そして今回、記憶が薄れきる前の“絶妙なタイミング”で、ギャラリー国立さんで再び個展を開けることをとても嬉しく思っています。

「ハール・ブリュット鉄道」で発表した作品「爛漫への旅立ち」では、中央線快速電車の行き先を「国立」としました。実際には存在しない行き先ですが、必ずこの街へ戻ってくるという願いを込めたものです。そして、そのときは案外早く訪れました。

「ハール・ブリュット(H’Art Brut)」は、私のニックネーム HAL と、フランス語で「生の芸術」を意味する Art Brut を掛け合わせた造語です。大学に入学して間もない頃、敬愛する教授に「アール・ブリュット作家の表現に似ている」と言われたことがあり、それが自分の原点のひとつになっています。以来、言葉になる前の感覚をそのまま色に託すことを、自身の芸術観の核として掲げてきました。

私にとって絵を描くことは、この世界への率直な愛情表現です。愛するものを、愛する色で描く。それだけが、私のもっとも自然な「生の芸術」だと思っています。

今回の個展では、代表作に加えて、大学卒業前という揺らぎの時期に生まれた新作を中心に、「青春」ハール・ブリュットの現在地を提示します。気持ちが揺れる時でさえ、私は鮮やかな色でしか描けません。チック症状で肩や腕が震えるときも。その性分のままに、今の「生」をそのまま画面に投げ込みました。

「ハール・ブリュット鉄道」では大作を主軸に展示しましたが、今回は幅広く、小品、愛猫チャイを描いたシリーズ、独自技法である木毛セメント(WW)シリーズなど、より自由で多彩な表現を並べています。
ハール・ブリュットの現在の色模様を、心ゆくまでお楽しみいただけたら幸いです。

2025年11月20日 アイハラハルキ (HAL)

 

 

 

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