GENESI展からLisa Galletti氏による批評文

 イタリア・ミラノのM.A.D.S. Art Gallery 主催のGENESI展に出展。会期中、イタリア・ミラノおよびスペイン・フエルテベントゥーラ島のAR(拡張現実)最新テクノロジーを駆使したデジタルギャラリーに展示され、ニューヨーク、TIMES SQUARE(タイムズスクエア)の巨大スクリーンにも数回登場されました。

 アーティストにとっては嬉しい企画が盛沢山のプロジェクトですが、出展作品「HAL-CAT〜擬猫化した自画像」について、選者であるキュレーター Lisa Galletti氏の批評文、そして彼女の肉声入りの紹介ビデオをいただきました。

イタリア語、英語の批評原文はこちら

日本語訳:
自画像のキャンバスに、大胆で鮮やかな色彩で、生気あふれる生き物が出現する。色彩の海から顔を覗かせているのは、ネコの顔ーをした人物で、好奇心旺盛で謎めいた目で見る者を直視している。じっと見据える彼の瞳は虹色に輝いている。その視線は、私たちの魂に触れようと手を伸ばしてくるような気がする。柔らかくしなやかな筆致が、単に画家の顔を描いているのではなく、猫の本質への自己の深遠な変容を物語っている。それは、人間のアイデンティティの静的な性質に果敢に挑戦する色彩のダンスであり、これが進化し続けるキャンバスである可能性を示唆している。作品に浸透している鮮やかで時に蛍光色を帯びた色彩の中で、それぞれの色は感情の断片となり、自己表現という視覚的な詩のリズムとなる。大胆な色使いは哲学的なステートメントとなり、人間のアイデンティティは複雑で多面的であり、色彩という普遍的な言語を通して表現される経験のシンフォニーであることを強調する。一筆一筆がこのシンフォニーの音符となり、自画像というユニークで再現不可能なコンポジションを奏でる。日常の向こう側を覗き込む鋭い目を持つ猫アーティストは、単なる具象表現ではなく、生きている謎である。生命感に満ちた姿は、見る者を人間の魂の最も深いニュアンスを探り、定義できないものを熟考し、存在の複雑な本質を問うように誘う。猫のイメージは象徴となり、目に見える表面を超えた神秘と洞察の世界を思い起こさせる。絵筆のストロークは、形態と流動性という概念そのものと戯れ、人間のアイデンティティが芸術によって形成され、変容することを示唆している。ストロークの流動性は、従来の境界を超えた自己のビジョンへの呼びかけとなり、人間存在の変幻自在さと儚さを哲学的に表現している。この文脈において、猫の姿をした自画像は、表現の手段であるだけでなく、深い内省の行為であり、自己表象の変容性に基づくステートメントでもある。「HAL-CAT – 擬猫化した自画像」は哲学的な行為となり、私たちのアイデンティティの儚く変化する性質についての思索となる。この猫アーティストの自画像は、芸術と自己アイデンティティの架け橋となり、自己表現の無限の可能性を探求し、存在の変幻自在性を受け入れ、アーティストのユニークな視点を通して人生の絶え間ない流れに思いを馳せるよう、見る者に挑んでいる。

リサ・ガレッティ

 美しい言葉で素敵な批評をいただき、ありがとうございます!こんなに本格的な批評文をいただいたのは初めてです!

 GENESI展が2023年最後の発表となりましたが、華やかに終えることができて感無量です!2024年も個展やグループ展等、発表の機会を用意しております。どうぞお楽しみに!

GENESI Exhibition

会期: 2023.12/14-12/20(ローマ時間)
会場: M.A.D.S Art Gallery (イタリア・ミラノ、スペイン・フエルテベントゥーラ島)
ニューヨーク TIMES SQUARE
メタバースのバーチャルギャラリー 

会期終了後も、下記サイトに永久展示されます。
M.A.D.S Art Gallery公式サイト
 Artist ページ
 作品ページ 
GENESI Event サイト
M.A.D.S Art Gallery公式Instagram @m.a.d.s.artgallery

コメントを残す